【薬剤師が解説】肌荒れの原因と漢方—タイプ別の改善法

乾燥・赤み・炎症…肌荒れを東洋医学で根本から整える!

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!

「肌がカサカサして、痒みがひどい…」
「顔が赤くなって炎症が出ることがある」
「湿疹がジュクジュクしてなかなか治らない」

肌荒れは、多くの人が悩む症状のひとつであり、乾燥・体質・環境の変化などが影響します。東洋医学では、肌荒れを「血虚」「風熱」「湿熱」の3つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。

本記事では、肌荒れの種類ごとの原因と漢方的なアプローチで根本改善を目指します


肌荒れは、乾燥・ストレス・食生活・環境の変化などが影響する症状であり、多くの人が悩む健康問題のひとつです。特に、生活習慣の乱れやホルモンバランスの変化が関係しやすく、慢性化すると肌のバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になります。

肌荒れの主な症状

肌荒れにはさまざまな種類があり、原因によって異なる特徴が現れます。

乾燥による肌荒れ(カサカサ・粉吹き)大学生の約30.7%が乾燥肌に悩んでいる
赤み・炎症(ニキビ・吹き出物)女子学生の約90%がニキビで悩んでいる
湿疹・ジュクジュクした肌荒れ湿度の高い時期に肌トラブルが悪化する人が約25%
ストレスによる肌荒れストレスを「いつも感じる」人は、肌の状態が悪化しやすい

肌荒れは、体質・環境・食生活の影響を受けやすいため、適切なケアと予防が重要になります。

肌荒れを引き起こす生活背景

症状の発症には、生活習慣や環境要因が大きく関係しており、以下の要因が肌荒れを悪化させる原因となります。

1. 食生活の乱れ

脂っこい食事や加工食品の過剰摂取ファストフードの頻度が高い人はニキビ発症リスクが1.43倍
食物繊維不足による腸内環境の悪化腸内環境が悪いと肌トラブルが増える傾向がある
糖質・脂肪の過剰摂取チョコレートや揚げ物が皮脂分泌を活発化させる

食生活の乱れは、肌のバリア機能を低下させ、炎症を引き起こしやすくするため、バランスの取れた食事が重要です。

2. ストレスとホルモンバランスの乱れ

ストレスが強い人の約40%が肌荒れを頻繁に経験
精神的な緊張が続くとニキビが悪化する割合が約30%
ホルモンバランスの乱れが皮脂分泌を増加させる

ストレスが原因の肌荒れは、リラックス時間を増やすことで改善しやすくなります

3. 環境の影響

乾燥した季節に肌荒れが悪化する人は約30%
湿気の多い時期に肌トラブルが増える人は約25%
紫外線が強い季節に肌のバリア機能が低下しやすい

環境の変化は、肌の水分バランスや皮脂分泌に影響を与えるため、適切なスキンケアが必要です。

肌荒れの予防と生活習慣の改善

肌荒れを改善するためには、生活習慣を見直し、肌のバリア機能を整えることが重要です。

適度な運動(血流を促進し、肌のターンオーバーを整える)
長時間のストレスを避け、リラックスする時間を確保する
水分を意識的に摂取する(1日1.5~2Lが目安)
食物繊維を豊富に含む食材(野菜・海藻・豆類)を積極的に摂る
腸内環境を整える発酵食品(ヨーグルト・納豆・味噌)を取り入れる

また、東洋医学では肌荒れのタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります

血虚による肌荒れ—乾燥によるトラブル

特徴

肌が乾燥し、カサカサしている
かゆみを伴うことが多い
寒い季節になると症状が悪化しやすい

症状の特徴

血虚の人は、肌の潤いを保つ力が弱く、乾燥によって肌が荒れやすいことが特徴です。特に冬場や乾燥した環境では、肌が敏感になり、痒みや粉吹きが出やすくなります

漢方処方

当帰飲子(とうきいんし) → 血を補いながら肌を潤わせ、痒みを改善
※乾燥を潤す作用をもつ四物湯(しもつとう)が含まれています。飲み始めてから効果が現れるまでに時間がかかるので、乾燥がひどくなる前に、早めに飲み始めましょう

このタイプの肌荒れは、「血を補いながら、肌の潤いを回復する」ことがポイントになります。


風熱による肌荒れ—赤みを帯びた炎症

特徴

肌が赤くなりやすく、火照る感覚がある
ニキビや吹き出物が出やすい
ストレスが溜まると肌荒れがひどくなる

症状の特徴

風熱による肌荒れは、炎症によって赤みを帯び、熱を持つような状態が特徴です。特に、ストレスや食生活の乱れが関係しやすく、ニキビができやすい傾向があります

漢方処方

消風散(しょうふうさん) → 風熱を取り除き、炎症を抑える
※軽いニキビにも消風散を使います。瘀血がからんできた場合は、治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)を処方します。

このタイプの肌荒れは、「熱を冷ましながら肌の赤みを改善する」ことがポイントになります。


湿熱による肌荒れ—ジュクジュクとした炎症

特徴

湿疹ができやすく、ジュクジュクした炎症がある
皮脂が多く、ベタつきやすい
湿気の多い時期に肌トラブルが悪化しやすい

症状の特徴

湿熱による肌荒れは、皮脂の分泌が過剰になり、炎症が強くなることが特徴です。特に、湿気が多い時期や脂っこい食事が影響しやすく、ジュクジュクとした肌トラブルが発生しやすいです。

漢方処方

黄連解毒湯(おうれんげどくとう) → 強い炎症を抑え、肌を清浄化する
※慢性化した場合には、温清飲(うんせいいん)を用いることもあります。

このタイプの肌荒れは、「湿気を取り除きながら炎症をしっかり鎮める」ことがポイントになります。


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

乾燥対策(加湿器やスキンケアで肌の潤いを保つ)(特に血虚タイプ)
ストレスを減らし、リラックスする時間を確保(特に風熱タイプ)
湿気対策を行い、肌の清潔を保つ(特に湿熱タイプ)

2. 食べ物

血を補う食材(ナツメ、黒豆、山芋)は血虚タイプ向け
熱を冷ます食材(ミント、トマト、緑茶)は風熱タイプ向け
湿気を取り除く食材(ハトムギ、きゅうり、陳皮)は湿熱タイプ向け


次回テーマ:かゆみの原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「かゆみ—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「乾燥・アレルギー・血流の悪化…かゆみの原因とは?」
タイプ別の漢方処方
セルフケアと養生法—かゆみを根本から改善する方法

東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


【引用元】

  • 大学生の肌の状態と食事摂取状況及び日常生活との関連
  • 大学生における肌状態・肌に関する悩みと生活習慣との関連
  • 肌荒れの原因食品と科学的根拠:研究データで見るNG食材

【キーワード】

  • 「肌荒れ 漢方」
  • 「当帰飲子 肌荒れ 乾燥」
  • 「消風散 赤み 炎症 改善」
  • 「黄連解毒湯 湿疹 炎症」
  • 「漢方で肌トラブルを予防する」
最新情報をチェックしよう!
>Drip & Dose Journal

Drip & Dose Journal

💊薬剤師×コーヒー×漢方☕️『Drip & Dose』公式。趣味のコーヒーや健康の話、たまに薬剤師目線での豆知識をお届けします。将来的にコーヒー豆&漢方茶の販売も予定✨

CTR IMG