【薬剤師が解説】肩こりの原因と漢方—タイプ別に見る根本改善の方法

慢性的な肩こりを東洋医学の視点で解決!あなたの肩こりはどのタイプ?

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!
「肩こりがひどくて頭痛まで起こる…」
「湿気が多いと肩が重だるくなる」
「筋肉がこわばって痛みが強い」
肩こりは、多くの人が悩む症状のひとつですが、原因やタイプによって適した改善法が異なります。東洋医学では、肩こりを「風寒」「痰飲」「瘀血」「風湿熱」の4つに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。
本記事では、肩こりの種類ごとの原因と漢方的なアプローチで根本改善を目指します


肩こりは、日本人の約70%が経験したことがあるとされる、非常に一般的な症状です。特に、デスクワークやスマホの使用が増えた現代では、肩こりが慢性化している人も多く、放置すると頭痛や集中力の低下などにつながることもあります。

ここでは、肩こりの主な症状と、それを引き起こしやすい生活背景について統計データを交えて詳しく解説します。


肩こりの主な症状

肩こりは単なる疲労ではなく、血流や筋肉の緊張が関係する慢性的な症状です。
一般的な肩こりの症状は…

首や肩の筋肉が硬くなる → 約65%の肩こり持ちが経験
肩が重だるく、動かしづらい → 約55%の人が自覚
頭痛やめまいを伴うことがある → 約30%の人が肩こりに関連した頭痛を感じる
湿気や寒さで症状が悪化する → 約40%が天候に影響を受ける
腕や手のしびれがあることも → 約20%が肩こりと関連する神経症状を経験

肩こりは、筋肉の緊張や血流の滞りによって起こり、悪化すると肩のこわばり・痛み・しびれといった症状が慢性的に続くことがあります。

肩こりを引き起こす生活背景

肩こりの発症には、日常生活の習慣や環境が大きく影響します。特に、以下のような要因が肩こりを悪化させる原因となります。

1. 長時間のデスクワークやスマホの使用

1日6時間以上デスクワークをしている人は肩こりの発症率が約50%増加
スマホの画面を長時間見る人の約40%が肩こりを自覚
猫背や姿勢が悪いと、肩こりが慢性化する割合が約35%

肩こりの主な原因のひとつは姿勢の悪化です。特に、長時間のデスクワークやスマホの使用によって首や肩の筋肉が硬くなり、血流が滞ることで症状が慢性化します。

2. 運動不足

運動習慣がない人の約60%が慢性的な肩こりを抱えている
週に1回以上ストレッチをする人は肩こりの頻度が約30%減少
血流が悪くなることで肩こりが発症しやすくなる(約50%が関連)

運動不足によって筋肉が固まると、肩こりの原因になります。適度なストレッチや軽い運動を取り入れることで血流を改善し、肩こりを予防することが可能です。

3. ストレスと精神的緊張

ストレスが強い人の約45%が肩こりを頻繁に経験
仕事や人間関係の悩みが続くと、約40%の人が肩こりの悪化を実感
自律神経の乱れが肩こりにつながる(約30%が該当)

ストレスや精神的な緊張は、肩や首の筋肉を無意識にこわばらせるため、肩こりの原因になります。リラックスできる時間を作ることが重要です。

4. 気候や環境の影響

寒い季節や冷房の効いた環境では肩こりが悪化しやすい(約40%が経験)
湿気が多い時期は肩の重だるさが増す(約35%が該当)
乾燥すると肩こりがひどくなると感じる人は約25%

寒さや湿度の変化は筋肉の血流に影響を与え、肩こりの悪化につながることがあります。環境に応じた対策を取ることが重要です。

肩こりを予防・改善するための生活習慣

肩こりを防ぐためには、日々の生活習慣を見直し、筋肉の緊張をほぐすことが大切です。

適度な運動を取り入れる(肩回し・ストレッチがおすすめ)
長時間同じ姿勢を続けない(デスクワークは1時間ごとに軽く動く)
ストレスを軽減し、リラックスする時間を確保する
スマホ・PCの使用時間を調整し、姿勢を意識する
血流を促す食材(生姜、ナツメ、黒糖)を積極的に摂る

また、東洋医学では肩こりのタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります


風寒による肩こり—冷えが筋肉の緊張を引き起こす

特徴

寒さを感じると肩がこわばる
筋肉が硬く、痛みが強い
温めると痛みが軽減する

症状の特徴

冷えによって血流が悪化し、筋肉がこわばることで肩こりが発生します。冬場や冷房の効いた環境で症状が悪化しやすい傾向があります。肩の一か所というよりは、肩全体がこわばったように痛みます。

漢方処方

葛根湯(かっこんとう) → 筋肉の緊張をほぐし、血流を改善

このタイプの肩こりは、「体を温めながら血流を促す」ことがポイントになります。


痰飲による肩こり—湿邪がむくみや重だるさの原因に

特徴

肩が重く、だるさを感じる
湿気の多い日や梅雨時期に症状が悪化する
むくみやすい体質の人に多い

症状の特徴

湿邪(余分な水分)が体に溜まることで、肩の筋肉がスムーズに動かなくなり、重だるい肩こりが発生します。

漢方処方

二朮湯(にじゅつとう) → 体内の余分な湿気を取り除き、血流を促す
※五十肩にも用いる処方です。

このタイプの肩こりは、「湿気を取り除きながら血流を改善する」ことが必要になります。


瘀血による肩こり—血の巡りが悪く、刺すような痛みが出る

特徴

肩の一部分に強い痛みを感じる
血虚の人に起こりやすい
チクチク・刺すような痛みが特徴

症状の特徴

血流が滞ることで筋肉が硬くなり、ピンポイントで強い痛みが発生しやすい肩こりです。

漢方処方

疎経活血湯(そけいかっけつとう) → 血の巡りを改善し、肩の痛みを軽減

このタイプの肩こりは、「血流を促しながら炎症を抑える」ことが必要になります。


風湿熱による肩こり—熱を持ったような重だるい痛み

特徴

肩が熱っぽく、痛みがズーンと続く
炎症を伴う肩こりが特徴
体がほてる人に起こりやすい

症状の特徴

熱がこもることで炎症が起こり、肩の筋肉が硬くなって重だるさが増すことが特徴です。

漢方処方

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう) → 炎症を抑え、熱を取り除く
配合されている「麻黄(まおう)」で湿をとり、「石膏(せっこう)」で消炎することで症状を緩和します。

このタイプの肩こりは、「熱を冷ましながら炎症を抑える」ことがポイントになります。


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

適度な運動で血流を改善(肩回し・ストレッチがおすすめ)
長時間のデスクワークは休憩を挟む(1時間ごとに軽く動く)
ストレス管理を意識し、リラックス時間を確保

2. 食べ物

血流を促す食材(ナツメ、黒糖、生姜)は瘀血タイプ向け
湿気を取り除く食材(ハトムギ、きゅうり、陳皮)は痰飲タイプ向け
体を温める食材(シナモン、にんにく、根菜類)は風寒タイプ向け


次回テーマ:腰痛の原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「腰痛—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「慢性的な腰痛はなぜ起こる?」その原因と体質の関係
タイプ別の漢方処方(気滞・血虚・水毒による腰痛)
セルフケアと養生法—腰痛を根本から改善する方法

あなたの腰痛はどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


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