【薬剤師が解説】認知症にともなう症状と漢方—タイプ別の改善法

徘徊・せん妄・意欲低下…東洋医学で根本から整える!

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!

「認知症が進行し、攻撃的な言動が増えた」
「意欲が低下し、日常の活動が減ってきた」
「物忘れが増え、会話や行動に不安を感じる」

認知症にともなう症状は、脳の機能低下やストレス・栄養不足などが影響し、興奮・徘徊・せん妄・意欲低下などが現れることがあります。東洋医学では、これらの症状を「肝うつによる興奮」「気虚による意欲低下」「物忘れ予防」の3つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。

本記事では、認知症にともなう症状の種類ごとの原因と漢方的アプローチで根本改善を目指します


認知症は、加齢・生活習慣・脳の変化などが影響し、記憶障害・意欲低下・攻撃性・徘徊などの症状が現れることがあります。行動・心理症状(BPSD)が認知症の進行とともに悪化します。

認知症に伴う症状の統計データ

認知症の症状は多岐にわたり、以下のようなデータが報告されています。

日本の65歳以上の認知症有病率は約12.3%(約443.2万人)
軽度認知障害(MCI)の有病率は約15.5%(約558.5万人)
認知症患者の約65%が行動・心理症状(BPSD)を経験
攻撃性や興奮が認知症の進行とともに悪化し、約40%が「せん妄や徘徊が見られる」と回答
意欲低下が認知症患者の約50%に見られ、「何事にも関心がなくなり、活動量が減少する」と実感
記憶障害の進行で会話や行動に影響が出ると感じる人は約30%

認知症の症状は、脳の変化とともに環境や生活習慣の影響を強く受けるため、適切なケアと予防が重要になります。

認知症を引き起こす生活背景

症状の発症には、生活習慣や環境要因が大きく関係しており、以下の要因が認知症の進行を悪化させる原因となります。

1. 加齢と脳機能の低下

65歳以上の認知症有病率は12.3%、MCIは15.5%と推計
加齢とともに認知機能が低下し、記憶障害が進行

2. ストレスと精神的な影響

精神的な緊張が強いと認知症の行動・心理症状(BPSD)が悪化
介護者の負担が増えることで、認知症患者の症状がさらに悪化する

3. 生活習慣と栄養不足

栄養不足が認知機能の低下を加速させる
運動不足が脳の活性化を妨げ、認知症の進行を早める

認知症の予防と生活習慣の改善

認知症の進行を抑えるためには、生活習慣を見直し、脳の健康を維持することが重要です。

ストレスを軽減するためにリラックスできる時間を作る
適度な運動を取り入れ、脳の活性化を促進する
栄養バランスの取れた食事を心がける(抗酸化作用のある食材を積極的に摂取)
認知症の症状を改善する漢方(抑肝散・補中益気湯・六味丸)を活用する

また、東洋医学では認知症のタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります


肝うつによる興奮や徘徊、せん妄—攻撃性が強いタイプ

特徴

認知症が進行し、怒りっぽくなった
夜間の興奮や徘徊が増えた
せん妄が出現しやすく、混乱した言動が見られる

症状の特徴

肝うつによる認知症症状は、肝の気が高ぶることで攻撃性が強まり、混乱が生じやすい状態を指します。特に、エネルギーがあるように見えるが、精神的なバランスを崩しやすい傾向があります。

漢方処方

抑肝散(よくかんさん) → 肝の気の高ぶりを鎮め、攻撃性を緩和
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) → 興奮を抑え、精神の安定を促す

このタイプの認知症症状は、「肝の気の巡りを改善しながら、精神の安定を図ることがポイント」になります。


気虚による意欲低下—何事にも関心がなくなるタイプ

特徴

日々の活動意欲が低下し、動くのが億劫になる
何事にも関心がなくなり、無気力になる
消化機能も低下し、栄養不足になりやすい

症状の特徴

気虚による認知症症状は、気が不足することで活力が低下し、意欲がなくなる状態を指します。特に、栄養不足や運動不足が影響し、さらに無気力になりやすい傾向があります。

漢方処方

補中益気湯(ほちゅうえっきとう) → 気を補い、消化吸収機能を改善

このタイプの認知症症状は、「気を補いながら、生活の活力を取り戻すことがポイント」になります。


コラム:物忘れ予防に六味丸・八味地黄丸

認知機能の低下を予防するためには、「六味丸(ろくみがん)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」が有効です。

腎の働きを補い、記憶力の維持をサポート
加齢による認知機能低下の予防に役立つ
脳の栄養を補給し、思考力を安定させる

認知症予防のために、早めのケアを意識しましょう


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

ストレスを溜めないように、リラックス時間を確保(特に肝うつタイプ)
適度な運動を取り入れ、活力を維持(特に気虚タイプ)
生活リズムを整え、認知機能を安定させる(特に物忘れ予防)

2. 食べ物

気を補う食材(黒豆、ナツメ、生姜)は気虚タイプ向け
肝の働きを整える食材(シソ、ミント、陳皮)は肝うつタイプ向け
脳の健康を支える食材(クルミ、魚、ブルーベリー)は認知症予防向け


次回テーマ:アンチエイジングの原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「アンチエイジング—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「肌の老化・体力低下・認知機能の衰え…その原因とは?」
タイプ別の漢方処方
セルフケアと養生法—若々しさを維持する方法

あなたの認知症の症状はどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


【引用元】

  • 高齢社会白書(内閣府)
  • 認知症に伴う介護施設利用者の行動・心理症状(BPSD)の背景
  • 認知症のご家族への調査結果(経済産業省)

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