生理痛・周期の乱れ・PMS…東洋医学で根本から整える!
こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!
「月経周期が乱れ、生理が遅れたり早まったりする」
「生理前にイライラや気分の落ち込みがひどくなる」
「生理痛がつらくて、仕事や日常生活に支障が出る」
月経トラブルは、ストレス・冷え・血の不足・気の滞りなどが影響し、多くの女性が悩む症状のひとつです。東洋医学では、月経の不調を「気滞・瘀血による月経困難」「血虚による月経不順」「気滞による月経前症候群(PMS)」の3つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。
本記事では、月経トラブルの種類ごとの原因と漢方的アプローチで根本改善を目指します。
月経トラブルは、ストレス・冷え・ホルモンバランスの乱れ・栄養不足などが影響し、多くの女性が経験する症状のひとつです。特に、生活習慣や社会的要因が関係しやすく、悪化すると日常生活に支障をきたすことがあります。
月経トラブルの主な症状
月経の不調にはさまざまな種類があり、原因によって異なる特徴が現れます。
✅ 月経痛を経験する女性は約67%
✅ 月経不順を訴える女性は約29.8%
✅ 月経量異常(過多・過少)を感じる女性は約6.3%
✅ 無月経の割合は約5.2%
✅ 月経困難症の外来受療率は2014年以降増加傾向
月経トラブルは、日常の生活習慣の積み重ねが大きく影響するため、適切なケアと予防が重要になります。
月経トラブルを引き起こす生活背景
症状の発症には、生活習慣や環境要因が大きく関係しており、以下の要因が月経トラブルを悪化させる原因となります。
1. ストレスと生活習慣
✅ ストレスが強いと月経周期が乱れると感じる女性は約50%
✅ 睡眠不足が月経不順を引き起こす可能性がある
✅ 食生活の乱れ(欠食・栄養不足)が月経不順の要因になる
2. 冷えと血流の影響
✅ 寒い季節に生理痛が強くなると感じる女性は約35%
✅ 手足の冷えを感じる女性は月経痛を訴える割合が高い
3. 社会的要因と受診率
✅ 月経困難症の外来受療率は2014年以降増加傾向
✅ 生理休暇制度の認知度や利用率には企業間で格差がある
月経トラブルの予防と生活習慣の改善
月経の不調を改善するためには、生活習慣を見直し、ホルモンバランスを整えることが重要です。
✅ ストレスを軽減するためにリラックスできる時間を作る
✅ 適度な運動を取り入れ、血流を促進する
✅ 体を冷やさないように温活を意識する
✅ 栄養バランスの取れた食事を心がける(鉄分・ビタミンB群を積極的に摂取)
✅ 月経トラブルを改善する漢方(きゅう帰調血飲・四物湯・加味逍遥散)を活用する
また、東洋医学では月経トラブルのタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります。
気滞・瘀血による月経困難—ストレスや冷えが原因の痛み
特徴
✅ 生理痛が強く、下腹部がキリキリと痛む
✅ 経血にレバーのような塊が混じることがある
✅ ストレスや冷えが悪化要因になる
症状の特徴
気滞・瘀血による月経困難は、ストレスや寒さの影響で気と血の巡りが滞り、痛みを引き起こすことが特徴です。特に、普段からストレスを感じやすい人や冷えやすい人に多い傾向があります。また、食べ過ぎが月経困難の原因になるという考えもあります。余分なものがどんどん体に入ってくるために痰飲ができやすくなり、気血の流れもい悪くなります。
漢方処方
☑ 芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん) → 気と血の巡りを良くし、生理痛を緩和
※漢方の処方で月経困難の症状に改善が見られなければ、婦人科で子宮内膜症などの病気がないか、診療が必要です。
このタイプの月経困難は、「気と血の巡りを改善しながら、痛みを緩和することがポイント」になります。
血虚による月経不順—間隔が開いてしまう原因
特徴
✅ 生理周期が長く、なかなか月経が来ない
✅ 経血量が少なく、色が薄いことがある
✅ 無理なダイエットや栄養不足が原因になる
症状の特徴
血虚による月経不順は、体内の血が不足しているため、生理の間隔が長くなることが特徴です。特に、過度なストレスや無理なダイエットを続けると悪化しやすい傾向があります。心労や睡眠不足など生活に無理があると、血が消耗され不足して、血虚の状態になります。気血が充実していれば、正常に月経がやってきますが、血虚になると、経血量が少なくなったり、2か月に1度しか月経が来ないなど、月経と月経の間隔が開いてしまったりします。周期の延長が進めば、無月経につながることも考えられます。
漢方処方
☑ 四物湯(しもつとう) → 血を補いながら、生理周期を整える
☑ 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) → 貧血傾向の人におすすめの処方
このタイプの月経不順は、「血を補いながら、ホルモンバランスを安定させることがポイント」になります。
血虚以外の月経不順
月経不順を起こす原因は、血虚の他にも考えられます。血虚では周期が伸びますが、気虚になると血をとめおく働きが低下して、周期が短くなったり、出血が続いたり、不正性器出血が起こったりする傾向があります。また、気虚が続くと血虚も引き起こします。気滞や瘀血、痰飲は、周期や経血量を不安定にさせます。
✅ 気滞(月経周期が乱れる) → ストレスが原因、加味逍遥散で気の巡りを改善
✅ 腎虚(冷えや加齢で月経が不定期) → 八味地黄丸で腎を補いホルモン調整
✅ 瘀血(経血が黒っぽく、塊が出る) → 桂枝茯苓丸で血流を改善し生理をスムーズに
✅ 陰陽バランスの乱れ(体調変化で周期が不安定) → 当帰四逆加呉茱萸生姜湯で冷えを改善し調整
気滞による月経前症候群(PMS)—イライラが抑えられない原因
特徴
✅ 生理前にイライラや気分の落ち込みが強くなる
✅ 胸の張りや頭痛を伴うことがある
✅ ストレスが原因で悪化しやすい
症状の特徴
気滞によるPMSは、肝の気が滞ることで、精神的な不調が出やすくなることが特徴です。特に、日頃からストレスを感じやすい人に多い傾向があります。
漢方処方
☑ 加味逍遥散(かみしょうようさん) → 肝の気を巡らせ、イライラを軽減
☑ 抑肝散(よくかんさん) → 精神的な高ぶりを抑え、気持ちを穏やかにする
※精神症状があっても通常の生活を送れているのなら、漢方の処方で様子をみますが、症状がひどいときには、抗うつ剤が必要になることもあります。
このタイプのPMSは、「気の巡りをスムーズにしながら、精神の安定を促すことがポイント」になります。
PMSは周囲の理解も必要
PMSで起こる精神症状は、自分ではなかなかコントロールできません。感情的になって、人間関係のトラブルにつながらないように、ある種の病気であることを周囲に理解してもらうことも必要です。
自分でも自覚して、その期間は刺激となるような事柄を避けたり、重要な決定をしないように予定を組んだりするようにしましょう。
養生・セルフケアのポイント
1. 過ごし方
✅ 体を冷やさないように温活を意識(特に気滞・瘀血タイプ)
✅ ストレスを溜め込まないように、リラックス時間を作る(特にPMSタイプ)
✅ 運動を取り入れ、血の巡りを促進する(特に血虚タイプ)
2. 食べ物
✅ 血を補う食材(ほうれん草、レバー、大豆)は血虚タイプ向け
✅ 気の流れを整える食材(シソ、ミント、陳皮)は気滞タイプ向け
✅ 体を温める食材(ショウガ、シナモン、黒糖)は瘀血タイプ向け
次回テーマ:更年期症候群の原因と漢方処方
次回のDrip & Dose Journalでは、「更年期症候群—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。
✅ 「ホットフラッシュ・動悸・不安感…その原因とは?」
✅ タイプ別の漢方処方
✅ セルフケアと養生法—更年期を快適に過ごす方法
あなたの月経トラブルはどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。
【引用元】
- 月経症状に及ぼす生活関連因子の検討
- 月経関連疾患の外来受療率の推移についての検討
- 社会経済的要因と女性の健康に関する調査提言
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