【薬剤師が解説】更年期症候群の原因と漢方—タイプ別の改善法

心と体のバランスを整え、快適な更年期を過ごすために

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!

「急にイライラしやすくなった…」
「不安感が強くなり、気持ちが落ち着かない」
「疲れやすく、何事にも消極的になってしまう」

東洋医学では、更年期の不調を「血虚・陰虚」「心の不安」「腎陽虚」の3つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。

本記事では、更年期症候群の種類ごとの原因と漢方的アプローチで根本改善を目指します


更年期症候群は、女性ホルモンの減少による心身の変化が原因となり、ほてり・発汗・動悸・イライラ・不安感・疲れやすさなどの症状が現れます。特に、ストレスや生活習慣の影響を受けやすく、悪化すると日常生活に支障をきたすことがあります。

更年期症候群の主な症状

更年期の不調にはさまざまな種類があり、原因によって異なる特徴が現れます。

更年期症状を経験する女性は約60%
ホットフラッシュ(ほてり・発汗)を感じる女性は約35%
更年期の不調がストレスで悪化すると感じる女性は約40%
更年期の体力低下が日常生活に影響すると感じる女性は約30%
更年期障害の重症度分類では「中等症」が約19%、重症が約9%

更年期症状は、ホルモンバランスの変化とともに生活習慣が大きく影響するため、適切なケアと予防が重要になります。

更年期症候群を引き起こす生活背景

症状の発症には、生活習慣や環境要因が大きく関係しており、以下の要因が更年期症状を悪化させる原因となります。

1. ストレスと生活習慣

ストレスが強いと更年期症状が悪化すると感じる女性は約40%
睡眠不足が更年期の不調を引き起こす可能性がある
食生活の乱れ(栄養不足)が更年期症状の要因になる

2. ホルモンバランスの変化

更年期障害の重症度分類では「中等症」が約19%、重症が約9%
ホットフラッシュ(ほてり・発汗)を感じる女性は約35%

3. 社会的要因と受診率

更年期障害の外来受療率は増加傾向
更年期の症状が強いほど、経済状況や介護負担が影響する

更年期症候群の予防と生活習慣の改善

更年期の不調を改善するためには、生活習慣を見直し、ホルモンバランスを整えることが重要です。

ストレスを軽減するためにリラックスできる時間を作る
適度な運動を取り入れ、血流を促進する
体を冷やさないように温活を意識する
栄養バランスの取れた食事を心がける(鉄分・ビタミンB群を積極的に摂取)
更年期症状を改善する漢方(加味逍遥散・柴胡加竜骨牡蛎湯・八味地黄丸)を活用する

また、東洋医学では更年期症状のタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります


血虚・陰虚による更年期症状—興奮しやすく、イライラが強い

特徴

精神が高ぶりやすく、些細なことでイライラする
ほてりや発汗が多く、動悸を感じることがある
睡眠の質が悪くなり、夜中に目が覚める

症状の特徴

血虚・陰虚による更年期症状は、肝と腎の働きが低下し、ホルモンバランスが乱れることで感情のコントロールが難しくなる状態を指します。特に、交感神経が過剰に働き、興奮しやすくなる傾向があります。

漢方処方

加味逍遥散(かみしょうようさん) → 気を巡らせ、精神の安定を促す
六味丸(ろくみがん) → 腎の働きを補い、ホルモンバランスを整える
温経湯(うんけいとう) → 体を温めながら血の巡りを改善

このタイプの更年期症状は、「肝と腎の働きを補いながら、気持ちを落ち着かせることがポイント」になります。


心の不安による更年期症状—不安感が強く、落ち着かない

特徴

漠然とした不安感が強く、気持ちが落ち着かない
イライラというより不安感に悩まされる
眠りが浅く、何度も目が覚めることがある

症状の特徴

心の不安による更年期症状は、ホルモン変化とともに精神的な緊張が強くなることで、不安感が増す状態を指します。特に、責任感の強い人や真面目な性格の人に多い傾向があります。

漢方処方

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) → 心を安定させ、不安感を軽減

このタイプの更年期症状は、「精神の緊張を和らげながら、心を穏やかにすることがポイント」になります。


腎陽虚による更年期症状—体力や意欲の低下

特徴

体が冷えやすく、疲れやすい
意欲や自信が低下し、何事にも消極的になる
ホルモンの減少で体力が落ち、動くのが億劫になる

症状の特徴

腎陽虚の更年期症状は、体のエネルギー不足によって、意欲や体力が低下する状態を指します。特に、冷えやすく、活動量が減ることでさらに不調が続きやすい傾向があります。

漢方処方

八味地黄丸(はちみじおうがん) → 腎陽を補い、体力・意欲を回復

このタイプの更年期症状は、「腎を強化しながら、体と気力を回復することがポイント」になります。


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

ストレスを溜めないように、リラックス時間を確保(特に心の不安タイプ)
適度な運動で血流を促進し、体力を維持(特に腎陽虚タイプ)
温活を取り入れ、冷えを防ぐ(特に血虚・陰虚タイプ)

2. 食べ物

血を補う食材(ほうれん草、レバー、大豆)は血虚タイプ向け
気の流れを整える食材(シソ、ミント、陳皮)は気滞タイプ向け
体を温める食材(ショウガ、シナモン、黒糖)は腎陽虚タイプ向け


次回テーマ:排尿トラブルの原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「排尿トラブル—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「頻尿・夜間尿・尿漏れ…その原因とは?」
タイプ別の漢方処方
セルフケアと養生法—快適な生活を送るために

あなたの更年期症状はどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


【引用元】

  • 更年期症状・障害に関する意識調査(厚生労働省)
  • 中年期女性の更年期障害に影響を与える社会因子の検討(厚生労働科学研究)

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