【薬剤師が解説】動悸の原因と漢方—タイプ別にみる根本改善の方法

動悸の種類と漢方的アプローチ—心の疲れを整えるには?

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!
「最近、胸がドキドキすることが増えた」
「ストレスが続くと動悸がひどくなる」
「何もしていないのに急に鼓動が速くなることがある」
動悸は、心臓のリズムが乱れることで生じる症状であり、一過性のものから慢性的なものまでさまざまです。東洋医学では、動悸を「水気上逆」「気血両虚」「気陰両虚」の3つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。
本記事では、動悸の種類ごとの原因と漢方的なアプローチで根本改善を目指します


動悸の症状と生活背景

動悸は、心臓の鼓動を強く感じる症状であり、ストレス・自律神経の乱れ・心疾患などが原因となることが多いです。日本では、成人の約10~20%が動悸を経験しているとされ、特に女性や高齢者に多いことが報告されています。

動悸の主な症状

動悸は、原因によって異なる症状が現れます。一般的な特徴として以下のようなものがあります。

突然のドキドキ感(発作性動悸)約15%の動悸患者が経験
胸の違和感や鼓動の乱れ約20%が「脈が飛ぶ感じ」を自覚
ストレスや緊張時に動悸が悪化約30%が精神的要因と関連
運動後やカフェイン摂取後に動悸を感じる約25%が食習慣と動悸の関連を認識
加齢による心機能の低下50歳以上の約40%が動悸の頻度が増加

動悸は、心臓のリズムが乱れることで発生し、一過性のものから慢性的なものまでさまざまです。

動悸を引き起こす生活背景

症状の発症には、生活習慣や環境要因が大きく関係しています。

1. ストレスと自律神経の乱れ

ストレスが強い人の約30%が動悸を頻繁に経験
睡眠不足の人は動悸の発症率が約40%上昇
精神的な緊張が続くと、自律神経の乱れにより動悸が慢性化(約25%が該当)

ストレスが原因の動悸は、リラックス時間を増やすことで改善しやすくなります

2. 加齢による影響

50歳以上の約40%が慢性的な動悸を抱えている
加齢とともに心臓の機能が低下し、動悸の発症率が上昇
高齢者では動悸が心疾患と関連することが多い(約35%)

加齢とともに心のエネルギーが衰え、動悸の原因となることがあるため、早めの対策が必要です。

3. 食習慣とカフェイン摂取

カフェイン摂取後に動悸を感じる人は約25%
食生活の乱れが動悸の原因になることがある(約20%が関連)
アルコール摂取後に動悸を感じる人は約15%

カフェインやアルコールは心拍数を上昇させるため、動悸を引き起こす要因となることがあります

動悸の予防と生活習慣の改善

動悸を改善するためには、生活習慣を見直し、心の負担を軽減することが重要です。

適度な運動(ストレッチ・ウォーキング)を取り入れる
長時間のストレスを避け、リラックスする時間を確保する
カフェインやアルコールの摂取を控える
規則正しい生活を意識し、十分な睡眠をとる
血流を促す食材(ナツメ、黒糖、生姜)を積極的に摂る

また、東洋医学では動悸のタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります


水気上逆による動悸—心が疲れて心陽虚になった状態

特徴

急にドキドキして、落ち着かない
息苦しさを感じることがある
緊張すると症状がひどくなる

症状の特徴

心の働きが弱まり、体内の水分バランスが乱れることで動悸が発生するのが特徴です。心陽虚の状態では、血流の流れが悪くなり、心臓が十分に機能しなくなるため、適切なケアが必要です。

漢方処方

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) → 心の働きを補い、水分バランスを改善

このタイプの動悸は、「心の機能を回復させながら、気と水のバランスを整える」ことがポイントになります。


気血両虚による動悸—心労を重ねた結果、心が弱ってしまう

特徴

長期間ストレスを抱えたあとに動悸が発生
慢性的な疲労とともに動悸を感じる
顔色が悪くなり、貧血気味になる

症状の特徴

脾の気が弱くなり、心のエネルギー(気血)が不足することで動悸が慢性化することが特徴です。特に、精神的な負担が続くことで、心の働きが弱まり、動悸が発生しやすくなります。

漢方処方

帰脾湯(きひとう) → 脾を補いながら心の気血を充実させる

このタイプの動悸は、「気血を補いながら、心の安定を目指す」ことがポイントになります。


気陰両虚による動悸—気と津液が不足し、心疾患の可能性も

特徴

動悸だけでなく息切れがある
乾燥しやすく、喉が渇きやすい
心臓に負担がかかるような感覚がある

症状の特徴

気の流れと津液(体液)が不足することで動悸が発生しやすく、慢性化することが特徴です。場合によっては心疾患の可能性もあるため、長引く場合は医師の診察を受けることが重要です。

漢方処方

炙甘草湯(しゃかんぞうとう) → 気と津液を補いながら心を安定させる

このタイプの動悸は、「気と津液を補いながら、心臓の働きを回復させる」ことがポイントになります。


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

ストレスを減らし、リラックスする時間を確保
規則正しい生活を意識する
深呼吸を取り入れ、心を落ち着ける

2. 食べ物

血流を促す食材(ナツメ、黒糖、生姜)は気血両虚タイプ向け
心を落ち着ける食材(ハチミツ、カモミール、ミント)は水気上逆タイプ向け
潤いを与える食材(梨、山芋、黒豆)は気陰両虚タイプ向け


次回テーマ:胃腸の不調の原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「胃腸の不調—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「胃もたれ、下痢、食欲不振…」それぞれの原因とは?
タイプ別の漢方処方
セルフケアと養生法—胃腸の健康を整える生活習慣

あなたの胃腸の不調はどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


【引用元】

  • 動悸について – J-STAGE
  • 動悸 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
  • 動悸に関するQ&A | 看護roo!

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