【薬剤師が解説】腰痛の原因と漢方—タイプ別に見る根本改善の方法

慢性的な腰痛に悩んでいる?東洋医学でタイプ別の根本改善を!

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!
「腰が重だるく、朝起きると動きにくい…」
「湿気が多い日は腰痛がひどくなる」
「年齢とともに腰の痛みが増してきた」
腰痛は、多くの人が悩む症状のひとつであり、特にデスクワーク・運動不足・加齢の影響を受けやすい症状です。東洋医学では、腰痛を「血虚・瘀血」「腎虚」「風湿」の3つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。本記事では、腰痛の種類ごとの原因と漢方的なアプローチで根本改善を目指します


腰痛の主な症状

腰痛にはさまざまな種類があり、痛みの性質や発生のタイミングによって異なることが特徴です。以下の症状が一般的に見られます。

鈍い痛みや重だるさがある約60%の腰痛患者が経験
朝起きたときに腰が痛い約50%の人が自覚
長時間座っていると腰が痛くなる約55%の人が症状を悪化させる要因として挙げる
急な動きで腰に鋭い痛みを感じる約40%が経験
湿気の多い日や寒さで症状が悪化する約35%が影響を受ける

特に、「朝に痛みを感じる」「座りすぎると腰が痛くなる」といった症状が多くの人に共通しているため、日常の生活習慣が腰痛に大きく影響していることが分かります。

腰痛を引き起こす生活背景

腰痛の発症には、生活習慣や体質が大きく関係しており、以下の要因が腰痛を悪化させる原因となります。

1. 長時間のデスクワークや座りっぱなしの生活

1日6時間以上座っている人は腰痛発症率が約50%増加
デスクワーク中心の人の約55%が腰痛を経験
姿勢が悪いと腰痛のリスクが約40%増加

現代では座りっぱなしの生活が腰痛の最大の原因とされており、長時間のデスクワークによって腰への負担が増えます。正しい姿勢を意識し、適度に動くことが重要です。

2. 運動不足

運動習慣がない人の約60%が慢性的な腰痛を抱えている
週1回以上軽い運動をする人は腰痛発症率が約30%減少
筋肉の柔軟性が低いと腰痛リスクが約40%増加

運動不足によって筋肉が固まり、腰への負担が増します。特に腰回りの筋力が低下すると、背骨を支えきれなくなるため痛みが発生しやすくなります。

3. 加齢による影響

50歳以上の約40%が慢性的な腰痛を抱えている
加齢とともに腰の痛みが悪化する割合が約45%
骨密度の低下があると腰痛リスクが約35%増加

加齢とともに筋力が低下し、腎のエネルギーが衰えることで腰痛を引き起こすことがあります。適切なケアと早めの対策が必要です。

4. 湿気や寒さの影響

湿気が多いと腰痛が悪化すると答えた人は約35%
冷えると腰の痛みが強くなると答えた人は約40%
夏場と冬場で痛みの感じ方が変化する人が約30%

湿気や冷えが腰の筋肉の硬直を招くことがあり、梅雨時期や冬場に腰痛が悪化しやすい傾向があります。温めたり、湿気を取り除く対策を講じることが大切です。

腰痛予防と生活習慣の改善

腰痛を改善するためには、生活習慣を見直し、腰への負担を軽減することが重要です。

適度な運動(ストレッチ・ウォーキング)を取り入れる
長時間座りっぱなしにならない(1時間に1回は立ち上がる)
体を冷やさないように注意し、温める習慣を持つ
腰を支える筋肉を鍛え、血流を促進する
ストレスを減らし、自律神経を整える

また、東洋医学では腰痛のタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります


血虚・瘀血による腰痛—血の巡りが悪くなることで発生

特徴

慢性的に腰が痛み、冷えを感じることがある
腰を強く押すと痛みがある(ピンポイントの痛み)
冷えると痛みが悪化しやすい

症状の特徴

血流が悪化することで腰に「瘀血(おけつ)」が生じ、痛みが慢性的になりやすくなります。血流不足が原因のため、温めると痛みが軽減することが多いのが特徴です。

漢方処方

疎経活血湯(そけいかっけつとう) → 血流を改善し、瘀血を取り除く
※肩こりにも使われますが、下半身の瘀血改善に効果が高い漢方薬で、血を補いながら血の流れを良くして、痛みを緩和します。

このタイプの腰痛は、「血流を促しながら炎症を抑える」ことが必要になります。


腎虚による腰痛—加齢とともに腎が弱くなり発症

特徴

加齢とともに腰痛が悪化している
朝起きたときに腰が重だるい
冷えると腰痛がひどくなる
立っていることがつらい

症状の特徴

腎は生命力を司る臓器であり、加齢とともに腎の力が弱まると、腰痛の原因となります。特に50代以降に発症しやすく、体を温めることが重要になります。

漢方処方

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) → 腎を強化し、腰の痛みを根本から改善
※滋養強壮作用のある「地黄(じおう)」、「山茱萸(さんしゅゆ)」、「山薬(さんやく)」が配合されています。

腎虚による腰痛は「早めに対処し、根本からケアすることが必要」です。


風湿による腰痛—湿気が原因で腰の重さや膝の痛みが出る

特徴

湿気が多い日は腰が重だるくなる
腰だけでなく、膝にも痛みが出やすい
動き始めはつらいが、動くと少し楽になる

症状の特徴

湿気が体内に滞ることで腰痛の原因になり、特に梅雨時期や湿度の高い日に症状が悪化しやすくなります。水は体の下にたまるので、上半身よりも下半身の方が湿によるトラブルが起こりやすくなります。また、膝にも痛みが出やすいのが特徴です。

漢方処方

防己黄耆湯(ぼうきおうぎとう) → 体内の湿気を取り除き、腰痛を軽減

このタイプの腰痛は「湿気を取り除きながら、血流を整える」ことがポイントになります。


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

腰を冷やさないようにする(特に腎虚・瘀血タイプ)
湿気が多い時期はしっかり体を動かし、血流を良くする(風湿タイプ)
座りっぱなしにならないよう、こまめに動く

2. 食べ物

血流を促す食材(ナツメ、黒糖、シナモン)は瘀血タイプ向け
腎を補う食材(黒豆、クルミ、山芋)は腎虚タイプ向け
湿気を取り除く食材(ハトムギ、きゅうり、生姜)は風湿タイプ向け

3. 腎の働きをよくするツボを刺激して、腰痛を緩和

腎兪
臍の後ろの位置の背骨から、指2本分外側の場所。

腎兪の効果
腰痛の改善
冷え性の解消
疲労回復
むくみの予防
活力アップ


次回テーマ:神経痛・関節痛の原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「神経痛・関節痛—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「痛みの種類と原因」そのメカニズムを解説
タイプ別の漢方処方
セルフケアと養生法—痛みを和らげる生活習慣

あなたの痛みはどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


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