【薬剤師が解説】めまい・耳鳴りの原因と漢方—タイプ別の改善方法

めまい・耳鳴りはなぜ起こる?東洋医学で体質別に解決!

こんにちは、Drip & Dose Journalへようこそ!
「急にグルグルめまいがする」
「疲れが溜まるとふらふらする」
「耳鳴りが続いて、聴力が落ちた気がする」
めまいや耳鳴りは、自律神経の乱れや体質による影響を受けやすい症状です。東洋医学では、これらの症状を「水気上逆」「脾気虚・痰飲」「気滞」「腎虚」の4つのタイプに分類し、それぞれに適した漢方処方や養生法を提案しています。
本記事では、めまい・耳鳴りの種類ごとの原因と漢方的なアプローチで根本改善を目指します


めまい・耳鳴りの症状と生活背景

めまいや耳鳴りは、多くの人が経験する症状であり、加齢・生活習慣・気候の影響によって発症しやすくなります。特に、ストレスや睡眠不足、血流の悪化が関係していることが多く、慢性的な症状として悩む人も少なくありません。

めまい・耳鳴りの主な症状

めまいや耳鳴りは、原因によって異なる症状が現れます。一般的な特徴として以下のようなものがあります。

めまい(回転性・浮動性)
日本のめまい外来患者の約43.5%が良性発作性頭位めまい症(BPPV)と診断
耳鳴り(高音・低音の持続音)
令和4年の国民生活基礎調査によると、耳鳴りを訴える人は約623人/33,804人(約1.8%)
ストレスや疲労によるめまい
約10.2%のめまい患者は原因不明とされるが、ストレスが関係している可能性が高い
加齢による耳鳴り
50歳以上の患者では、耳鳴りの発症率が高くなる傾向がある

めまいや耳鳴りは、体の水分代謝や気の流れの乱れが深く関係しているため、それぞれの原因に合わせた対策が必要です。

めまい・耳鳴りを引き起こす生活背景

症状の発症には、生活習慣や環境要因が大きく関係しています。

1. ストレスと自律神経の乱れ

ストレスが強い人の約25%がめまいや耳鳴りを頻繁に経験
睡眠不足の人はめまいの発症率が約40%上昇
精神的な緊張が続くと、自律神経の乱れにより耳鳴りが慢性化(約20%が該当)

ストレスが原因のめまいや耳鳴りは、リラックス時間を増やすことで改善しやすくなります

2. 加齢による影響

50歳以上の約40%が慢性的な耳鳴りを抱えている
加齢とともにめまいの発症率が上昇し、特に女性に多い
骨密度の低下があるとめまいリスクが約35%増加

加齢とともに腎のエネルギーが衰え、耳鳴りやめまいの原因となることがあるため、早めの対策が必要です。

3. 気候や環境の影響

湿気が多いとめまいが悪化すると答えた人は約40%
冷えると耳鳴りがひどくなると答えた人は約45%
夏場と冬場で症状の感じ方が変化する人が約30%

湿気や寒さが筋肉の硬直を招くことがあり、特に下半身や肩・首の痛みがひどくなりやすいのが特徴です。温めたり、湿気を取り除く対策を講じることが大切です。

めまい・耳鳴りの予防と生活習慣の改善

症状を改善するためには、生活習慣を見直し、体の巡りを整えることが重要です。

適度な運動(ストレッチ・ウォーキング)を取り入れる
長時間座りっぱなしにならない(1時間に1回は立ち上がる)
体を冷やさないように注意し、温める習慣を持つ
ストレスを減らし、自律神経を整える
水分代謝を整える食材(ハトムギ、きゅうり、陳皮)を積極的に摂る

また、東洋医学ではめまい・耳鳴りのタイプ別に漢方処方を活用することで、根本的な改善が可能になります


水気上逆によるめまい—急激に起こる激しいめまい

特徴

突然グルグルと回るようなめまいがする
起き上がると強く感じる
動いていると症状が軽くなることもある

症状の特徴

体内の水分が上にのぼることで、めまいが急激に起こることが特徴です。特に、気の流れが乱れることで水と一緒に上昇し、めまいを引き起こします

漢方処方

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) → 気と水の流れを整え、めまいを軽減

このタイプのめまいは、「体の水分バランスを整えながら、気の巡りを改善する」ことがポイントになります。


脾気虚・痰飲によるめまい—疲れやすく、フラフラする

特徴

体がだるく、めまいが続く
立ちくらみが多く、ふらふらする
食後に症状が悪化しやすい

症状の特徴

脾気虚によるめまいは、エネルギー不足や消化機能の低下が原因で、慢性的に続くめまいが特徴です。特に、体内の余分な水分が影響を与えることが多いため、水分代謝を改善することが重要になります。

漢方処方

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう) → 余分な水分を排出し、めまいを予防

このタイプのめまいは、「脾を補いながら、水分バランスを調整する」ことがポイントになります。


気滞による耳鳴り—ストレスが原因の一過性の耳鳴り

特徴

ストレスを感じると耳鳴りが強くなる
めまいを伴うことがある
聴力が低下することもある

症状の特徴

気滞による耳鳴りは、精神的な負担によって一時的に発症しやすいことが特徴です。自律神経の乱れが原因となることが多いため、気の流れを整えることが重要です。

漢方処方

四逆散(しぎゃくさん) → 気を巡らせ、ストレスによる耳鳴りを緩和

このタイプの耳鳴りは、「気の流れを改善し、自律神経を整える」ことがポイントになります。


腎虚による耳鳴り—加齢とともに増える症状

特徴

50歳以上で耳鳴りが慢性的になっている
体力の低下を感じることが多い
耳鳴りが長期間続く

症状の特徴

腎虚による耳鳴りは、加齢とともに腎の力が弱まり、慢性的な耳鳴りを引き起こすことが特徴です。体力が低下していると症状が悪化しやすいため、腎を補うことが重要になります。

漢方処方

八味地黄丸(はちみじおうがん) → 腎を補い、体力を回復

このタイプの耳鳴りは、「腎を強化しながら体の巡りを良くする」ことがポイントになります。


養生・セルフケアのポイント

1. 過ごし方

ストレスを減らし、リラックスする時間を確保
睡眠の質を改善し、十分な休息をとる
規則正しい生活を心がける

2. 食べ物

血流を促す食材(ナツメ、黒糖、生姜)は気滞タイプ向け
水分代謝を整える食材(ハトムギ、きゅうり、陳皮)は脾気虚タイプ向け
腎を補う食材(黒豆、クルミ、山芋)は腎虚タイプ向け


次回テーマ:動悸の原因と漢方処方

次回のDrip & Dose Journalでは、「動悸—東洋医学が示すタイプ別の改善法」 をテーマにお届けします。

「動悸はなぜ起こる?」その原因と体質の関係
タイプ別の漢方処方
セルフケアと養生法—動悸を根本から改善する方法

あなたの動悸はどのタイプ?東洋医学の視点で根本からの改善を目指しましょう!次回もお楽しみに。


【引用元】

  • めまい疾患統計(奈良県立医科大学)
  • 令和4年国民生活基礎調査(厚生労働省)
  • めまい外来の臨床統計(徳島大学病院)

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